社会保険労務士試験の合格率は、平成29年度は6.8%でした。その前年は4.4%です。周りと同じことをしていても合格は程遠いです。通学で合格を目指したくても社会人にはなかなか時間が取れず、通信教育でこの試験に挑む方がほとんどです。そこで、通信教育6カ月で一発合格を勝ち取った私が、社労士試験必勝法を伝授いたします。

テキストに取り掛かる順番

通信教育に申し込むと、以下のテキストが届きます。順番に並べます。

  • 労働基準法(労基)
  • 労働安全衛生法(安衛)
  • 労働者災害補償保険法(労災)
  • 雇用保険法(雇用)
  • 労働保険徴収法(徴収)
  • 労務管理その他労働に関する一般常識(労働常識)
  • 健康保険法(健保)
  • 国民年金法(国年)
  • 厚生年金保険法(厚年)
  • 社会保険に関する一般常識(社保常識)

書くだけで時間がかかる、ぞっとする分量です。これを労基から始めると、ほとんどの人が挫折します。難しいからです。実際、労基は知識が豊かな本試験のベテラン陣さえ苦戦する科目です。法律の難しい条文が多く、点数が取りにくいのです。

ではどうするか。点数が取りやすく、実力差が出やすい科目から勉強していくのです。順番はこんな感じです。多少の入れ替えは人によってはあるかもしれません。

国年→厚年→労災→健保→雇用→徴収→安衛→労基→労働常識・社保常識

概念的なことが沢山書かれてある労基より、数字が書かれている保険関係のほうが、とりつきやすいのです。年金や保険関係は労基に比べて法律の条文がそんなにないので、法律に慣れていない人でも学習に入りやすいというメリットもあります。

スケジュール表を作成する

年単位でスケジュール表を作成する、というアドバイスがありますが、それでは合格からほど遠くなってしまいます。1年がかりで全教科網羅するころには、最初に取り掛かった教科のことはほとんど忘れてしまいます。何回も、スピーディーに繰り返し学習することがこの試験には求められるのです。

ではどうするか。スケジュールは1週間単位で組みます。6日間予定を入れて残り1日は予備日です。計画通りに学習が進めば予備日は復習日に充てます。1日予備日を取っているので、絶対に自分に言い訳をせずにやり遂げなければなりません。

分からないところがあっても後回しにします。付箋を付けて先に進むのです。法律の関連性で、後になってわかることもあるのです。立ち止まってはいけません。何度も繰り返し学習していけば自然に分かるようになります。

覚えるのではなく理解する

「社労士試験は暗記試験だ」とよく言われます。確かに試験の4割は数字の暗記を問われるので、あながち間違いではありません。ただし、試験に何回も落ちる人は残りの6割も暗記しようとしている人なのです。

試験範囲は膨大なので、全部暗記することは不可能です。それぞれバラバラで暗記するのではなく、関連性で理解していくのです。例えば「年金」というキーワードでは国年、厚年、労災をセットにして、違いを見比べるのです。すると暗記しようと思わなくても、自然に頭に入ってきます。この「自然に頭に入る」ことを沢山増やせば増やすほど合格に近づきます。

細かい数字は直前に暗記

4割は数字の暗記と書きました。それは試験直前の2か月に集中して暗記していくのです。人は忘れる動物です。しかしながら忘れるまでには時間がかかります。忘れる前に本試験に取り掛かればよいのです。ここは理屈抜きで徹底的に暗記に集中します。

生真面目に1月から数字を暗記しても仕方がありません。そんなことにつかう時間が合ったら「理解学習」の方に力を注ぐべきです。暗記と違い、理解した事柄は忘れないからです。

まとめ

工夫しなければ他の受験者に勝てません。いかに効率よく試験範囲を制するか、そこに勝ち負けの鍵があります。何度も繰り返し学習し、理解する。忘れることと戦うのではなく、忘れる前に本試験に立ち向かう。これが試験に合格するためのコツです。